鉄塔基礎工事

①仮設工事
送電線工事を行うためには、工事用地を確保し、資機材を工事現場まで運ぶ仮設道路などが必要となります。

②掘削
台風や地震などで鉄塔が倒れないように強固な基礎を作る必要があります。山岳地に建てられる大型鉄塔の基礎は深さが数十メートルになることもあります。

③配筋
基礎と鉄塔部材を密接に連結させ、底面に据え付けてから、鉄筋を配筋します。

④据付
配筋された鉄筋の中に据え付けられた主柱剤の角度を調整する工程になります。ミリ単位の微調整が行われ、基礎工事の肝の部分になります。

⑤コンクリート打設
型枠を設置し、コンクリートを流し込み(打設)ます。コンクリートミキサー車が鉄塔位置まで行くことができない場合は、
ヘリコプターなどを利用してコンクリートを運びます。

⑥埋戻し
コンクリートが固まったら、掘削した土を埋め戻し、締め固めます。

⑦基礎完成
基礎工事の完成です。この後、鉄塔を組み立て、電線を架線し、送電線工事は完成となります。

ハンドホール設置、地中埋設管路敷設

①ハンドホールの設置計画と施工
ハンドホールは、通線工事を容易に行えるような設置計画とする。電力や通信引込柱の直近や、建物への導入部、埋設管路の曲がり部分は、通線の支障となりやすい部分であり、ハンドホール設けてケーブルの通線が容易に行えるよう配置します。直線が長く続く部分では、ハンドホールを30m程度に1箇所設ければ、通線が容易である。多数のケーブルを一箇所のハンドホールで処理しようとすれば、埋設深さが2m~3mなど、非常に深くなる場合がある。計画では、ハンドホールの内部に入るのにも危険が伴うため、タラップを設け、安全にハンドホール内部に入られるよう配慮します。

②ハンドホール下部の転圧
ハンドホールを施工する場合、施工後の沈下を防止するため下部を転圧し土を圧密にします。この際大きなサイズの石などが残っていると、転圧不良となりハンドホールが沈下するおそれがあるので、取り除くべきです。

③ハンドホールの浸水対策・水抜き
ハンドホールは、内部への水の侵入が問題となる。ハンドホールへの水の侵入は「上部蓋から」「電線管貫通部」「枡ジョイント部」などいくつか考えられます。
ハンドホールの蓋は防水パッキンの付いた製品とし、地上面からの浸水を防止します。ハンドホールを貫通する電線管はエポキシ樹脂などで貫通部の止水を行い、かつ電線管の接続部からの浸水を防止するため、電線管同士の接続も止水処理を十分に施します。ハンドホールを構築する枡を重ねる場合、重ね部分に止水用のシールを施します。

④ハンドホール蓋の仕様
ハンドホールの鉄蓋には破壊荷重が設定されており、重量物がハンドホール上部に載った際、破壊されない強度のある製品を選定します。車両重量物が通る場所にハンドホールを設置する場合は、80kN(8,000kgf)の蓋を選定し、人のみ通行する部分の蓋は、20kN(2,000kgf)とするのが一般的です。工場や物流倉庫など、大型トレーラーが通行するような部分では80kNの製品でも破壊されるおそれがあるので、そのような場所には設置しないことを原則とし、やむを得ない場合は200kN(20,000kgf)など、大きな荷重に耐えられる鉄蓋を選定すると良いです。
50Tラフタークレーンは、輪圧が10T(100kN)近くなるため、80kNの仕様でも耐えられない。耐荷重を超えた鉄蓋は、曲がるような壊れ方をせずばらばらになる特徴があるので、ハンドホールやマンホール内部のケーブルや機器類に破片が直撃すると、ケーブル断線や機器損傷のおそれがあります。

⑥ハンドホールのセキュリティ対策
ハンドホールは、フックがあれば誰でもあける事ができるので、特別高圧電線路や、重要通信経路となる部分のハンドホールでは、容易に開けられないようロックすることも検討します。
ハンドホール内部に対してセキュリティが必要な場所であれば、鍵付きの製品を選定することも考慮すべきです。高圧や特別高圧の送電・配電路となる部分のハンドホールなど、重要な経路となる場合はセキュリティに対する検討が必要です。

⑦防水蓋
ハンドホール内部に水が侵入しないよう、防水処置が施されたハンドホールである。ゴムパッキンが蓋の周囲に取り付けられており、水の浸入を止めることが可能です。
防水フタには、簡易防水仕様と完全防水仕様があり、水の浸入を抑えたい程度により、蓋の仕様を選定します。

⑧化粧蓋
蓋の上部に建築仕上げを施せるものは、化粧蓋と呼びます。インターロッキングなどが敷設され、意匠上配慮されている空間に鉄蓋を置くのは、デザインを崩してしまう原因となるため、化粧蓋が用いられます。
インターロッキング用はH=70、タイル用はH=40程度の充填深さが確保されているため、仕上げに合わせて選定します。
他にも、ハンドホールが著しく深くなる場合、蓋にタラップを設けること、落下防止や盗難防止用として使用するチェーン付き、前述した鍵付きなど、設置場所や用途に応じて多様な選定が可能です。

⑨埋設管路の設計
受電点から建物までの電路やハンドホール間に採用されている地中埋設管路は、景観の向上に寄与するため都心部では数多く採用される工法であるが、浸水や、地震・不等沈下による接続配管の屈曲といったおそれもあるので、適切な設計が望まれます。
地中電線路はケーブルの通線ができ、必要に応じて引き抜きができる電線管サイズを選定し、かつケーブルから発生する熱に対して、十分な放熱性能を持った大きさにしなければなりません。
地中電線路には波付硬質合成樹脂管(FEP)が広く使用されており、建物への導入部は防水鋳鉄管等を介して躯体を貫通します。地上設置の分電盤などがある場合、地中から立ち上がる部分はFEPから厚鋼電線管に異種管接続を行ないます。

⑩ 埋設深さ
引込み管は600mmより下部とし、電力会社との協議により埋設深さを決定する。地表から1,200mmという数値が指定される。舗装されている場所であれば、舗装下面から300mmより下部に敷設する。
寒冷地など特殊環境では、凍結深度より下部に配管を埋設する。

⑪埋設標の敷設
埋設配管を建物に導入する部分、地中管路が屈折する部分、道路など公道エリアを横断する部分には、埋設標を設けて埋設管路があることが容易にわかるよう配慮します。直線部分においては30m程度毎に1箇所の埋設標を設置します。
地中埋設管路の上部には、標識シートを埋設することで、下部に電線管が埋設されていることが明確である。誤って重機等で電線管路を損傷しないよう、電線管路の上部に「下部に電線管あり」という表示を行い、注意を促すべきです。

⑫電力ケーブルに対する電線管路のサイズ
地中管路は、通線するケーブルサイズに応じた大きさの管路を構築します。通線するケーブルの仕上外径によってサイズが変化しますが、電力ケーブルは仕上外径の1.5倍、通信ケーブルは仕上外径の2.0倍以上の内径を持つ電線管を選定します。
多条敷設する場合、電線管の断面積に対し、ケーブルサイズが32%以下となるように計画すると、容易に引替えができる合理的な管路となります。

一般土木工事

土木工事は、一般的に建設工事の種類の一つです。
道路や橋などをはじめ、宅地造成や下水道の配管工事も含まれます。
つまり、地面の上に建物を造る「建築工事」に対して、地面そのものや地中を担当するのが土木工事と言えます。

工事の範囲は多種にわたり、それぞれに専門性も高いのが特徴ですが、当社では主に以下のような工種を行っています。

・道路工事
・道路改良工事
・道路構造物工事
・土地造成工事

石森電通システム株式会社は、年々高まる社会のニーズに応えるべく、高い技術で各種土木工事に従事しています。